焦るUSCPAと世界で爆増するACCA
日本だけがUSCPAを追い続ける理由とその違和感
こんにちは、Tetsuです。私は国際会計資格であるUSCPAとACCAの両方を取得し、海外で働いてきた会計士です。
今回は「USCPAの制度変更の裏側」と「世界で急成長するACCA」というテーマについて、データと実体験をもとに詳しく解説します。
USCPAは日本では今も人気ですが、世界全体で見ると全く異なる景色が広がっています。そのギャップこそが、今回最もお伝えしたいポイントです。

USCPAはなぜ試験制度を緩和したのか
USCPAは、日本人のキャリアアップのために作られた資格ではありません。本来は米国で州ごとに監査権限を持つ会計士を養成するための国家的資格です。
監査とは、企業が作成した財務諸表が会計基準に沿って正しく作られているかを第三者として保証する、極めて社会的に重要な仕事です。
ところが現在、アメリカでは監査人不足が深刻化しています。その最大の原因が、USCPA受験者数の長期的な減少です。
データを見ると、USCPA受験者は2010年頃に約10万人でピークを迎えましたが、その後は減少を続け、2021年には約72,000人、2022年には約67,000人と、過去17年で最低水準を記録しました。

ピーク時から30%以上の減少です。これはアメリカ経済が不況だったからではありません。人口も経済も成長している中で起きている、構造的な問題です。
監査人不足が引き起こす本当のリスク
監査が機能しなくなると、経済全体に深刻な影響が出ます。
2001年のエンロン事件では、監査法人アーサー・アンダーセンが不正を見逃し、結果として企業破綻と監査法人の解体につながりました。
2008年のリーマンショックでも、複雑な金融商品のリスクを十分に把握できなかった監査体制が批判され、世界経済は大混乱に陥りました。
こうした歴史があるからこそ、アメリカの会計士団体(AICPA)は受験者減少に強い危機感を持っています。
その結果として行われたのが、USCPA試験制度の緩和です。
- 科目合格の失効期限延長(州による)
- 記述式試験の廃止
- 合格しやすい形式への変更
これは「学習者のため」というより、とにかく人数を確保したいという制度側の事情によるものです。
なぜ日本だけがUSCPAを追い続けているのか
興味深いことに、USCPAの海外受験者数トップは常に日本です。
中国やインドといった人口も経済成長も日本を大きく上回る国々では、USCPA受験者はほとんど増えていません。
理由は単純です。IFRSが世界標準となった今、USGAAPや米国税法を学ぶ合理性が低いからです。
それでも日本では「有名だから」「評価されそうだから」という理由でUSCPAが選ばれ続けています。
しかし世界の受験生は、もっと冷静に判断しています。
世界が選んでいるACCAという資格
その対極にあるのがACCA(Association of Chartered Certified Accountants)です。
ACCAは英国発祥ですが、実態は完全な国際資格で、中国・インド・東南アジア・アフリカなどで受験者が爆発的に増えています。
中国では2016年に約66,000人だったACCA学習者が、2020年には約15万人、2024年には17万人超に増加しています。
インドでも生徒数だけで13万人を超えており、政府・大学・企業が一体となってACCAを評価しています。
ACCAが評価される3つの理由
① 学習内容が世界標準
IFRS、コーポレートファイナンス、管理会計、監査、経営戦略など、どの国でも通用する知識を体系的に学びます。
② 学習スケジュールが持続可能
最初の9科目は合格が永年有効、上級科目も7年の猶予があります。人生の変化に合わせて学習を中断・再開できます。
③ 受験方法と費用が合理的
自宅でのリモート受験が可能で、1科目あたりの費用もUSCPAより大幅に安く抑えられます。
まとめ|資格は「流行」ではなく「世界」で選ぶ時代
世界の受験生は、IFRSと英語記述力を武器にACCAへと向かっています。
日本だけがUSCPAを追い続ける現状は、冷静に見ればかなり特殊です。
他人の評価ではなく、世界の動きと自分の将来を基準に選ぶ。
その視点を持った人にとって、ACCAは極めて合理的な選択肢です。
検討される人は是非セミナーにご参加ください。

