ACCAのFinancial Managementの科目説明
IFRSを学ぶだけではなく、実務の様々な場面で使える知識を習得できるのがACCAです。
M&Aの場面で使われる、コーポレートファイナンス の基礎を学べるのが、Financial Management という科目です。
私自身、M&A関連の仕事はこれまでにも何度も関わったことがあるのですが、このFinancial Managementの科目では、M&Aの時の企業価値評価の考え方の基礎をカバーしており、なかなか優れた内容です!
かなり幅広いのですが、以下のような内容をカバーしています。
・金融市場の種類とその役割
・ARR、NPV、IRRなどの評価方法
・運転資本のマネジメント
・Equityによる資金調達
・Debtによる資金調達
・株主資本コスト
・配当成長モデル
・CAPMモデル
・負債コスト
・WACC(加重平均資本コスト)
・企業価値評価
・為替リスクとそのヘッジ方法
・金利リスクとそのヘッジ方法
などなどです。
財務責任者やM&Aに関連するようなお仕事をする人であれば、知っていなければならない内容ばかり。
M&Aの実務では実際に、コンサルがこのようなCAPMモデルなどを使用して、WACCを算定しそれを使ってキャッシュフローを現在価値に割り引いて企業価値を算定します。
その時に、割引率であるWACCというものが企業価値を大きく変化させてしまいます。
これの設定によって結論が変わってしまう程に。
「今回の企業価値算定はどういうWACCなんだろう?」
「今回のCost of capitalのβ値は
どういった類似企業から取っているのだろう?」
こういったところが理解できていないと、誤った結果となり、企業価値が正しく評価できません。
ちなみに日本企業はやはりM&Aが苦手なようで、M&A後の業績が当初の想定ほどは伸びないというデータが出ています。
これはM&Aで買収をすること、あるいは売却をすることは、成果として高く評価されるので全力で頑張るものの、それ以降の買収後の企業へのテコ入れになると尻すぼみになってしまうからでしょう。
買収後の統合作業をPMI(Post merger integration)と言いますが、ここが日本企業は弱いわけです。
現地の企業に深く入って、自社の理念やメリットを浸透させて、会社を改善させられるだけのパワーが無いわけですね、、。
英語力不足や企業文化の違い、現地制度への理解不足などここでも日本人の弱さが出てくるのかと。
だからこそグローバルに戦える人材が欲しいわけです。
さて、買収時に想定したレベルのキャッシュフローを買収後の事業が生み出さないとどうなるでしょうか?
そうです。
Financial Reportingの科目の学習に繋がります。
買収時に認識したGoodwill(のれん)は、Impairment test(減損テスト)を受けることなります。
その時にImpairment testで算定した現在価値が、投資簿価を下回る事になります。
そうして、Impairment loss(減損損失)を認識するわけですね。
はい、これ、IAS36号。
どうでしょう、ちょっとACCAの科目の学習が繋がってきましたね!
こうなってくると、何だか勉強は楽しいです。
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