ACCAとUSCPAの難易度を比較する

USCPAとACCAの難易度を徹底比較|両方合格したからこそ分かる本音の違い

英語が使える会計士資格と聞いて、日本で真っ先に思い浮かぶのはUSCPA(米国公認会計士)という方が多いでしょう。

確かに日本国内での知名度はUSCPAが圧倒的です。一方で世界に目を向けると、ACCA(英国系の国際会計資格)の方が主流となっている国も数多く存在します。

そこで多くの方が気になるのが、「USCPAとACCA、どちらの方が難しいのか?」という点。この記事では、USCPAとACCAの両方を受験・合格した筆者の実体験をもとに、難易度・試験制度・勉強スタイルの違いをできるだけリアルに比較していきます。

結論:USCPAは「短期集中の高負荷」、ACCAは「長期分散で実務寄り」

先に結論をまとめると、こんなイメージです。

  • USCPA:受験資格のハードルが高め+数年以内に4科目合格の短期集中。知名度・転職での即効性は強い。
  • ACCA:受験開始のハードルが低め+13科目を積み上げ。記述式が多く、実務で使える英語の表現力が鍛えやすい。

USCPAの難易度|まず“受験資格”が最大のハードル

受験資格が意外と厳しい

USCPAの最初の壁は、試験そのものではなく受験資格です。 州によって条件は異なりますが、多くの場合、一定数の会計・ビジネス単位や学歴要件、書類審査などをクリアしないと、試験を受けることすらできません

この事前の単位取得や審査で、やる気が削がれてしまう方が一定数いるのも事実です。

4科目を3年以内に全合格するプレッシャー

受験資格を得ると、次に待っているのが4科目を3年以内にすべて合格するというプレッシャーです。多くの日本人受験生にとって財務会計やビジネスは進めやすい一方、特に躓きやすいのがAudit(監査)です。

Auditは英語が難解で、選択肢のニュアンス勝負になりがち

Auditは英語が独特で、選択肢のうち2つが「同じことを言っているようにしか見えない」問題も出てきます。筆者も万全を期して挑んだつもりが不合格になった経験があり、英語のニュアンス勝負になりやすい科目だと感じました。

法律・税法は「住んでいない国」ゆえにリアリティが持ちにくい

USCPAには法律や税法の科目もあり、アメリカの制度を学びます。住んでいない人間からするとリアリティが薄く、「何を聞かれて何を答えているのか」掴みにくい場面もありました。なんとか合格はしましたが、あそこで得た知識がどれほど実務に直結するかは、置かれた環境によると感じます。

学習ボリュームが大きい(参考書が電話帳級)

USCPAは1科目のボリュームがかなりあります。万全を期すなら、米国教材の大量の問題を繰り返す必要があり、1,000ページ超の教材をこなすイメージになる人も多いでしょう。要領よく合格する方もいますが、凡人の筆者は努力で押し切りました。

2年程度しっかり勉強時間を取れる方や、英語・会計に自信がある方でないと、全科目合格は簡単ではありません。

 

USCPAが向いている人

  • 短期間で資格を取り、転職などで人生を変えたい
  • 時間確保ができ、短期集中が得意
  • 知名度の高い資格で市場価値を早く上げたい

ACCAの難易度|長期戦だが“アプローチしやすい”理由

受験資格が柔軟(学位なしでも始められる)

ACCAは受験資格が比較的柔軟です。会計単位があると科目免除になることもありますが、単位がないからといって受験できないわけではありません。大卒程度の学位が目安とされる一方、満たさない場合でもFoundation levelから学習をスタートできます。

13科目あるが、科目間のつながりが強く理解しやすい

ACCAは13科目(免除がある場合は少し減る)ですが、各科目は相互に関連しており、重複領域もあります。たとえば財務会計領域はレベルを上げながら複数回登場し、段階的に理解を深める設計です。そのため、1科目あたりのボリュームはUSCPAより軽く感じることがあります。

合格率が50%を超える科目も多い(50点で合格)

ACCAは50点以上で合格。科目によっては合格率が50%を超えるものも多く、80%前後の科目が出ることもあります。難易度としては、過去問と極端に乖離しない基礎的・実務的な出題が中心と感じました。

最大の特徴:記述式が多く「英語で伝える力」が伸びる

ACCAの一番の特徴は記述問題が多いことです。Excel入力のような問題もあり、単なる暗記ではなく、状況を理解して「採点官に伝わるように書く」ことが求められます。

勉強中は常に、「自分の英語力で、どう書けば最短で確実に伝わるか」を考えることになります。日本人は意見表明が苦手と言われますが、英語ではそれが求められます。これは実務でそのまま役に立つ英語力であり、ACCA学習の大きな価値の一つです。

科目合格の有効期限が長い=人生と両立しやすい

ACCAの魅力は、科目合格の有効期限が長く、途中で仕事や家庭が忙しくなっても、落ち着いたら再開できる点です。科目免除がなければ最低3年程度かかるケースもありますが、会計士として働くなら学び続けるのは一生。この3年はその始まりに過ぎません。

結局どっちがいい?目的別のおすすめ

どちらが優れているというより、目的で選ぶのが後悔しないコツです。

  • 短期で資格を取り、転職の武器にしたい → USCPA
  • IFRSベースで幅広く学び、実務英語(表現力)を鍛えたい → ACCA
  • 仕事・家庭と両立しつつ、長期で積み上げたい → ACCA

 

まとめ|USCPAよりACCAが“アプローチしやすい”と感じる理由

USCPAは短期集中で突破できれば強い一方、受験資格や18か月ルール、科目のボリュームなど、負荷も大きい資格です。ACCAは13科目と長期戦ですが、受験開始のハードルが低く、実務寄りで、記述を通じて英語の表現力も鍛えられるため、筆者の感覚ではACCAの方が取り組みやすいと感じました。

IFRSベースで多岐にわたる知識を得られる点も含め、ぜひ検討してみてください。

 

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