英国所得税率と起業
日本の所得税率は所得により7段階に定められているようですが、英国はシンプルに4段階です。
Personal Allowance Up to £12,500 0%
Basic rate £12,501 to £50,000 20%
Higher rate £50,001 to £150,000 40%
Additional rate over £150,000 45%
という状況です。
要は50Kの給与を超えてしまうと、それ以上は40%という結構重い税金が掛かってしまうのです。
多くの人はそれを避けるために、年金への支払いに充てます。
年金への支払いとした分は所得税がかからず、将来に自分の収入が無い時に年金を受け取るので税金がゼロになる可能性があるので、これ以上無い投資効率(節税効率)の良いものが年金となります。
とはいえ、そんなに年金に回していると普段の暮らしが苦しいので、やむなく40%を払うわけですね。
個人所得税で言うと、日本の方が軽いかもしれませんね。
(社会保険料を考え始めると複雑になるので、一旦これは置いておきますが)
しかし、法人税率となると話は別です。
英国の法人税率は2020年は19%です。
日本の実行法人税率は今の時点で31%程度ですね。
法人税率は圧倒的に英国が低いです。
(ですので英国の子会社は外国子会社合算税制、いわゆるタックスヘイブン対策税制の網にかかってしまうわけですが)
となると、人々はどう考えるか、というと、会社を起業した方が税金上圧倒的に得だという事になります。
むしろ英国としても起業を促しているようにも考えられます。
もちろん、個人の所得が少ない場合には基礎控除が取れるので、フリーランスで所得税を払っている方が得かもしれませんが、副業で事業を進める場合などは、本業で50K近く稼いでいる人(マネージャレベルでロンドンで暮らしているとほとんどこのレベルの給与は超えてきます)は、会社を作ってしまえば、税金を21%もセーブできることになります。
1000ポンド稼いだら、210ポンドは手元に多く残りますね、これは大きいです。
設立は簡単にできてしまいます。
設立後も年に一度、会社の基礎情報と会計情報を法務局に提出するだけ。
どうでしょう、今の世の中、どこでもビジネス出来るわけですから、英語が通じて税率も低いイギリスで起業などいかがですか